2009.09.22 雨
5時半出発。同行者は娘とその彼氏。思えば1年ぶりの登山なので、ちょっと体力が心配なのだが、スクワットを数日したので・・。
皿ガ嶺方向から出掛けた。ちょっとアキグミの実をチェックしに寄ったが、今年はまるで無し。ガッカリしたけど仕方がない。
道の駅「面河」7:00
7時のスカイライン開門には間に合わず、7:15分ゲート着。そのまま土小屋を目指す。そのころから小雨がフロントガラスを叩く。3台ほどすれ違ったが、まだ紅葉前なので車は少ない。あと2週間もすれば、車が一杯になる。ゲートから土小屋までは18km。途中の「御来光の滝」は晴天続きのため、望遠で覗けば見える程度。土小屋着7:35。スカイラインの所要時間は25分。
登山口のカマツカ
支度を済ませ土小屋南の登山口を7:50初。階段を登る頭上にはカマツカのまだ青くて硬い実が・・。5分も歩くと岩黒山への分岐点を左に見るが、こちらは帰ってくる方向。今日も南面の、ほとんど平坦な石積のトラバース道を歩く。
ガマズミ
ブナの実 (今年は不作) フウリンウメモドキ
この頃から雨脚が強まるが、木立が重なるため降り始めは雨音だけで、雫は少ないのが良い。しかし、歩を進めるたびに服を濡らす雨に、たまらず上半身だけカッパを着込む。昨年の10月に登った時も小雨で霧の中を歩いたが、今日はそれより雨脚が強かった。まだ実の時期には早く、ガマズミも赤いものは少ない。フウリンウメモドキは赤いが、10月のように熟すというほどではない。
マユミ
マユミの実が目立つ。この木で弓を作り大蛇(オロチ)を退治したんだとか。そんな話しをしながら歩は順調に進み丸滝小屋に。帰りはこの前にある岩黒山分岐から岩黒山を目指す。リンドウが道の傍らに咲く。夏山の疲れを癒される花である。
リンドウ
道は、この丸滝道場から下りになる。道場の急な崖を背に歩いていると、山道に大きなカエルが現われた。後で調べるとサツマヒキガエルとの事。この後、山道に登場したヒキガエルは15匹以上に及んだ。雨が好きなようだ。昨年は小雨だったせいか1匹も見なかったが、そういえば雨の皿ガ嶺で一度大きなのに出くわした事があった。
このサツマヒキガエル毒を持っているようだが、ヤマカガシには効かないようだ。ヤマカガシの持つ毒は、このヒキガエルの毒を蓄積しているものらしい。ヤマカガシには2度飛び掛れたが、2mほど離れていたので手前で落ちた。飛び掛ると言うよりも渦巻いた体をこちらに伸ばした・・というような感じだった。
さて、下りが15分続く。せっかく登ったのに下り道があると、随分損をした気分になる。それから更に鉄の折半で作った橋を何度も渡る。この折半や他の材料をどうやって運んだのだろうか?かなりの量と重さになる。
尾根筋を筒上山山頂から北に下る道との分岐点に着く。帰りはここに下りてくる予定だ。
ブナ林の平坦な道をひたすら歩く。登り始めるとすぐにキレンゲショウマのポイントに着く。左側に保護するためのロープが張られているので分かりやすい。この時期は青い実を付けている。シコクブシが青いきれいな花を咲かせている。この根は有毒でアル。
登りはそんなに続かない。途中で小休止しても20分ほどなんだが、のちのちこの登りがボディブローのように効いてくる。
登り道
正面に明るい光が見え開放された空間に出ると、右手に巨大な石垣を目にする。予備知識が無ければ、[道場の石垣]なんて言葉は頭の中に浮かばないから,事情が分かるまで,しばらく頭の中がパニくるdarou
。小道の両側にシコクフウロが咲いている。シコクフウロは別名イヨフウロとも言うらしい。しかも、シコクフウロと言いながら、四国固有種ではないらしい(-"-)
今回の目的の一つなので、写真を撮りまくり状態。ただ、時期的にはちょっと遅い、咲き残り・・である。雨だから花びらがうつむいているものばかり(-_-;)道場の石垣の上に連れが立っている。「オイオイ、進入したのかよ」って思ったが、昨年よりずっと建物側に有刺鉄線が移動している。ここでテントを張る人達のためだろうか?敷地内にある五葉松に種は無かった。
ホソバヤマハハコ
ホソバヤマハハコがここだけには群生してる。石垣の横を通り抜け低い鳥居を潜り、急な階段を登ると鎖場に着く。何本ものロープが垂れているので、腕の力だけを頼りに登る。左下の遠い景色を見てはいけない(-"-)石鎚山の鎖は、そのふくらみに足を入れられるが、ここの鎖はただ上下の鎖をつなぐためだけの、ふくらみしかない。この頃から雨が止んだ。全くツキに見放された訳でもないようだ。
霧の中の小道を登る。笹が膝下を濡らす。少し風があって、体感温度を下げていく。点在する五葉松には、まだ青い実が付いている。
山頂の祠の横で昼休憩とする。雨こそ止んだが、時折、強い風にコンビニ弁当のプラ蓋が飛びそうになる。お茶も冷たいし・・(-"-)山頂着は10:30の予定だったが、誰かの写真撮影などで1時間のロスがあり、着いたのは11:30。寒さのため、三人とも元気な声が出ない。早々に山頂を後にし、尾根筋の低い笹の間を北向きに降りる。初めてのコースなので、しかも尾根筋が続くものと想像していたが、予想とは違い膝に堪える下りが続いた。
膝から下がギクシャクし始めたが、若い二人に先行させると振り切られそうなので、後ろからのプレッシャーを感じつつも長い下りを歩いた。合流点まで遠く感じられたがなんとか辿り着き、鉄の橋の先にある例の登りに掛かった。かなり足のダメージが大きくなったが、まだ引きつるほどではない。
小休止を混じえて丸滝道場に着いた。しばらく前から話し声が聞こえていたが、そこにはおばちゃん二人が休憩をしていた。聞くと、雨が強いので一旦スカイラインをゲート近くまで下ったが、明るくなったのでまた引き返してきた・・とのこと。この岩黒山分岐から岩黒山頂までは1時間であること。そんなに上りはないから・・との話だったので、予定のコースでもあったので体に鞭打って登りはじめた。
ナナカマド
途中、膝下の疲れと痛みで歩けなくなり座り込んだ。間を置いて後から来た、おしゃべり大好きおばちゃん達に追い越された。ポケナビで確認すると山頂は近いので頑張って登った。おばちゃん達が気遣ってくれ、「ここが山頂ヨ~」と叫んでくれた。晴れた日なら展望が良いに違いない。山頂には大きな木が無くて、ほとんど裸山状態。
岩黒山山頂
小休止の後、下りに掛かった。この岩黒山は1,745mだから、土小屋の1,492mまでの高低差は253m。ただし、距離が短いので急坂にならないよう、右に左にジグザグ道が続く。
ホシガラス
次第に下りの段差が苦痛となるが、途中から五葉松の間を抜ける道となり、高い枝に青い実を突くホシガラスや、小枝を揺らすリスの姿に声が上がった。表示板があり五葉松の簡単な説明があったが、木の周りは1mを越し、その高さは30mもあるようだ。感動したのは、その枝数が多いこと、そして山頂から土小屋からの分岐点まで五葉松が多い事だった。
さすがに下部はダケカンバが多かったが、これだけ五葉松が群生している山は知らない。東赤石山は山頂だけだったし、これほど大きな木は少ない。辛い思いをして登った甲斐があった。
足を引きずりながら、やっとの思いで登り口まで帰った。若いものは笑顔も残っており、帰りの運転も任せた。瓶ガ森や大川嶺にも寄る予定をしていたが、時間もさることながら体力的な事と、岩黒山の五葉松を見て満足感100%になっていたので、「もう帰ろう」と。土小屋の「笹の葉饅頭」にも満足しつつ家路に着いた。
家に帰ると、雨が降り出した。平地ではこれが本日初の雨だったらしい。
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