今は町村合併で宇和島市になったが、今回は津島町嵐の浮き桟橋でのお話である。
前回に御五神島へ渡してもらう清家渡船を紹介したが、その清家渡船のすぐ西の浮き桟橋である。浮き桟橋のすぐ西側には菊池渡船の船がある。R56から道端のAコープを海沿いに30m入ると、漁協の前が浮き桟橋である。更にこの道をずっと進むと小日提(こひさげ)などを経由して岩松川に帰る。途中は意外と隠れポイントで、田颪(たおろし)など大チヌが釣れる場所がいくらでもある。
コトヒキ マアジ シマイサキ
話を元に戻すが、この浮き桟橋は夜中も3個だったか水銀灯が付いていて、地元の人が夕方釣りをしている程度の閑散とした釣り場だった。漁師町だし湾の奥だから人気が無いのだろうが、近くに小川の流れ込みもあり、河口で釣れる魚が釣れるのだ。
モイカ ホゴ
カマス、マダイ、シマイサキ、タチウオ、モイカ、ゼンゴ、コトヒキ、ホゴ、ムツなど。これらは普通のフカセ釣りでも良いのだが、この当時ニフティの釣りフォーラムに載せた「キビナゴ釣法」が面白く、ほとんどの魚が対照となる釣法である。この「キビナゴ釣法」、どんな釣りかと言うと、餌に冷凍のキビナゴを使い餌に針を縫い刺しにする。ハリスは歯が鋭い魚が多いので5号以上30cm。
沈む浮き(プラスチック)の型
その先に固定で沈む浮きを付ける。この沈む浮きは三宅島の「天狗浮き」を真似たもので、量産できるようにプラスチック成型したものだ。海中の微妙な潮の流れに乗せて、餌を先行させながらゆっくり沈む浮きであり、言わば餌を魚の層まで届ける道標の役目をする。はじめは0.5号とか1号の中通し錘を使ったり、水中浮きを使っていたが、より大きいほうが潮をつかめる・・と、沈む浮きに変えたのだった。キビナゴの冷凍が1パック200円程度だったろうか。釣具屋の冷凍物は鮮度が悪いものがあるから、夏場に鮮魚売り場で刺身用を買い冷凍して置くと便利である。
沈む浮き(木製)
予想しているタナまで餌が落ちたら、またゆっくり引き上げる、この引き上げの動きで釣れる場合が多い。また、餌がキビナゴなので、餌を吸い込む系の魚ではなく、歯があって噛む系の魚がヒットする。カマス、タチウオ、ムツ・・なんてのは鋭い歯をしている。
クロムツ
「ムツは深海で釣れる魚だろう」なんて意見もあったが、図鑑で見る限りムツなのである。ただ、大きなものは釣れない。せいぜい20cmまでだった。稚魚は沿岸で餌を取り、成魚になると深海に移動するのかも知れない。この釣りは、仕掛けを遠投したら、後はひたすら海中の餌の流れ方落ち方をイメージするしかない。何が良い釣り方なのかは、魚の反応が多ければ魚に合った釣り方だった・・ということだ。つまり、「釣り方は魚に聞け」と言う事になる。
マダイ
この浮き桟橋の水深は竿4本位だったろうか。おおよそ20mだから、そこそこ深いし流れも緩やかにあって面白い釣り場である。やはり夜露に濡れながら、9月から11月後半の北風が冷たくなるまでやってみた。たぶん、年中何かが釣れるだろうと思う。
田の浜漁港
マダイの44cmも上がったが、マキエサ無しなので、ともかく何が来るか分からない。どこの釣り場に行っても猫が2匹くらい魚をくれるのを待っている。食べ終わったらまた来る。早朝になり、御五神に出る渡船が出てしばらくすると夜明けになるから、眠たい目をこすり家路に着いた。
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